東京都練馬区にある絵本画家・いわさきちひろの「ちひろ美術館・東京」は1977年9月に開館。2002年9月には鳥羽市立海の博物館などの代表作で知られる内藤廣の設計でリニューアルオープン。
美しく繊細で、優しい水彩画が人気のいわさきちひろの作品は世代を越えて愛され続けている。戦争経験者で反戦や平和への願いを込め、大人でも色々と考えさせられる作品も多い。ちひろ美術館・東京は自宅兼アトリエ跡に建てられ25年の間に増築を重ね、展示スペースの増加や全館バリアフリーとするなど大規模なリニューアルを経て現在に至る。施設はミュージアムショップとカフェ(休業中・持ち込み利用可)、図書室に赤ちゃんや小さい子どもが利用できるスペースもあり充実している。
館内は常に外が見え落ち着いた雰囲気
部屋ごと復元したいわさきちひろのアトリエ
梅雨が明け、本格的な夏が訪れた日曜に杉並の井草森公園へ。子どもと公園で少し遊び、歩いて千川通りを越えると練馬の住宅地に建つちひろ美術館・東京に到着。青々とした美術館のシンボル・けやきの後方に構える赤茶の外壁が特徴的。設計した内藤廣が松本猛(いわさきちひろの息子)と黒柳徹子(館長)と一緒に決めたこの外壁は、光が当たると角度によってピンクがかった色などに見える。
館内は増設で迷路状に入り組んでいた面影を残すような配置で、三角形になっているの展示室も珍しい。殆どの部屋からも中庭や、いわさきちひろが愛した草花の咲くちひろの庭に面している。展示室の一角にはアトリエを部屋ごと復元した空間も。開催中の展覧会は「いわさきちひろ 子どものしあわせ-12年の軌跡」で、12年間毎月1冊発行していた雑誌「子どものしあわせ」の表紙絵について線画から水彩まで画風の軌跡などを展示している。(会期は2020/3/1~10/11まで)
絵本を自由に読める図書室