沖縄県那覇市のおもろまちにある「沖縄県立博物館・美術館」は2007年11月に開館。琉球石灰岩を外壁に用いて沖縄のグスク(城)をイメージした設計は石本建築事務所と二基建築設計室。
沖縄県立博物館・美術館は「おきみゅー」の愛称で親しまれ、博物館と美術館が併設された全国でも珍しい複合施設。博物館は地学・人類・考古・歴史などの資料を展示し、関連イベントも開催。美術館は沖縄にゆかりのあるアーティストやアジア諸国の油画・水彩画・彫刻・映像等の近現代美術を中心に展示している。ふれあい体験室では体験キットを使って沖縄の自然のしくみや先人の知恵を発見するなど楽しく学べ、屋外の琉球時代に使われていた貴重な高倉や民家も見応えがある。

琉球の伝統的な高倉・民家を再現したアプローチ

足元には珊瑚礁を配した博物館入口
いつも海やプールで遊ぶのを優先してしまい、中々訪れることのできなかった沖縄県立博物館・美術館へ。白セメント・琉球石灰岩・珊瑚を混ぜて表面をラフに削ることで風合いを出し、柔らかな曲線の連続で歴史的資産のグスク(城)をイメージした外観がとても格好良い。この外壁と建物本体の外壁によるダブルスキン構造は南国の厳しい日射や暴風雨を遮断する役割を担っている。
館内に入りエントランスは吹き抜けの空間にクバの木(ビロウ)をモチーフにした柱が印象的。まずは左手の博物館常設展示から進み、沖縄の自然・歴史・文化を「海洋性」と「島嶼(とうしょ)性」という二つの側面から読み解く。3階は「タッチ ザ ダイナソー 恐竜アドベンチャー展」が開催中で、恐竜の化石や骨格などを見て触って体感できる。砂の中に埋まった恐竜化石の発掘体験や、スマートフォンを使った恐竜パネルから飛び出すAR恐竜も面白い。(会期は2024/7/14~9/1まで)

大迫力の恐竜が動いて吠える!