大阪市中央区の大阪城公園敷地内にある「大阪城」は1931年11月に復興。城内は貴重な資料などが展示され、最上階の展望台では金の鯱を間近に大阪市内を見渡せば天下人の気分を味わえる。
現在の大阪城は豊臣時代・徳川時代に続く3代目で、名古屋城・熊本城と並んで日本三大名城のひとつに数えられる。元々は石山本願寺を前身とし織田信長が築城を開始したが、明智光秀の謀反による本能寺の変で織田信長は討たれてしまう。しかし家臣だった豊臣秀吉が引き継ぎ天下統一の拠点として1585年に天守閣を完成させた。その後城主は豊臣秀頼に変わるが、1615年の大阪夏の陣で徳川家康に敗れ落城。1629年に再建されるも、落雷や明治維新の動乱による焼失などの歴史を持つ。

正門にあたる大手門

左:千貫櫓/右:多聞櫓
最近は御朱印集めも始めたため、大阪旅行で楽しみにしていた大阪城へ。自然豊かな大阪城公園を進むと、ゆったりとした上り坂に見えてきたのは大阪城の玄関口にあたる大手門。1628年に徳川幕府により建てられ、両側にある土塀(大手門北方塀・南方塀)と共に重要文化財に指定されている。魔除け瓦の桃瓦やメンテナンス用の控柱など、当時の装飾や建築技術が垣間見える要素も多い。
大手門を抜けると多聞櫓(たもんやぐら)がどっしりと構え、同種の櫓としては国内最大級の大きさを誇る。さらに北側には1620年に建てられた千貫櫓(せんがんやぐら)があり、城内最古の建造物の一つ。その名は織田信長が「銭千貫文を出しても取りたい櫓だ」と語ったことに由来している。難攻不落の大阪城の象徴だった多聞櫓と千貫櫓に、L字型の造りが珍しい乾櫓(いぬいやぐら)を合わせた3つの櫓はいずれも重要文化財で、2025年3月から11月まで期間限定で内部を特別公開している。

鯱瓦と伏虎の原寸大レプリカ