京都市北区にある世界遺産「金閣寺」は、室町幕府の第3代征夷大将軍・足利義満が1397年に建立。正式名は鹿苑寺(ろくおんじ)といい、相国寺の塔頭寺院の一つで国内外に知られる名刹。
鎌倉時代の有名な貴族だった西園寺公経(さいおんじきねみつ)の山荘を、足利義満が譲り受け建てたのが金閣寺の元となる北山殿(きたやまどの)。足利義満は長男の義持に将軍の職を譲り出家するが実権を握り続け政治中枢を集約し、伝統的な公家文化と新興の武家文化の融合に中国の文化も取り入れた北山文化を開花させた。金閣寺は当時では珍しい3階建てで、貴族・武家・仏教の3つの文化(様式)を調和しているため北山文化の代表的な建物となっている。
屋根の頂きでは鳳凰が京都を見渡す
樹齢約600年の陸舟の松
宿泊しているホテルROKU KYOTOから15分程歩くと金閣寺へ到着。総門をくぐり受付を済ませ参拝門から進むと、葦原島(あしはらじま)などの島々や奇岩名石が配された鏡湖池越しに金閣寺が早くも姿を現す。ちなみに鹿苑寺の金色に輝く舎利殿 金閣が特に有名なため金閣寺と呼ばれているが「金閣」と寺を付けないのが正しいようだ。金閣寺(記事内は金閣寺で)の中に入ることはできないが1階に釈迦如来像と足利義満像、2階に観音菩薩像と東西南北を守る四天王像がある。
金閣寺の右手には足利義満が自ら育てていた盆栽を地植えにし、舟形に仕立てた陸舟の松(りくしゅうのまつ)。青々とした五葉松で樹齢がおよそ600年とはとても思えない老松。「京都三大松」の一つで市の天然記念物にも指定されている。庭園を進むと登竜門に因んだ鯉魚石(りぎょせき)が置かれている龍門滝は、出世開運のご利益があるパワースポット。
庭園に落ち着いた風情を与える龍門滝