横浜の海の玄関として国内外の客船が寄港する「横浜港大さん橋国際客船ターミナル」は2002年12月にリニューアル。設計はロンドンの建築設計事務所FOA(エフ・オー・アーキテクツ)。
横浜港大さん橋国際客船ターミナルは、ペリーの黒船来航により1859年7月に開港した横浜港の湾岸施設として「飛鳥II」「ダイヤモンド・プリンセス」などの大型客船が2隻同時に着岸できる本格ターミナル。建物は地下1階地上2階建てと山下公園や赤レンガ倉庫からの眺望を配慮した高さを抑え、2つの大きな山なりが波のうねりをイメージした外観が特徴的。ウッドデッキと芝生の広大な屋上広場は、コンセプトの「庭港」通り船客だけではなく市民からも憩いの場として親しまれている。

起伏したウッドデッキが広がる屋上広場

屋上から建物内へのアプローチ
神奈川県民ホールでイベントがあり、天気も梅雨時の貴重な晴れ間となったため早起きをして大さん橋へ。建築界に大きな衝撃を与えたこの建物は曲面を多用した斬新なデザインで、「くじらのせなか」と呼ばれる屋上広場が特に素晴らしい。波打つようにうねったウッドデッキは約15年経過していても美しく、丘の上のような心地よさを感じさせてくれる。ウッドデッキにはブラジル原産のイペ材が使用され、非常に堅く密度の高い木材のため歳月が経過しても変形しにくい特徴を持つ。
屋上広場は24時間無料で開放され、散歩などのんびりできる公園のように多くの人を受け入れている。視線を遮るものが何もないため行き交う船を眺める海はもちろん、ランドマークタワーや大観覧車に赤レンガ倉庫など、横浜らしいみなとみらい地区を見渡せるビュースポットとしても有名。

山下公園から眺める大さん橋