兵庫県姫路市にそびえ立つ「姫路城」は、1609年の大天守完成から400年以上の歴史を持つ天下の名城。白漆喰で塗られた外観は翼を広げた白鷺に例えられ「白鷺城」の愛称でも親しまれている。
姫路城は17世紀初頭の城郭建築を代表する史跡建造物で1951年6月に国宝に指定、1993年12月には奈良の法隆寺と共に日本で初の世界文化遺産に登録された。天守の構造は5層6階・地下1階の大天守に、東・乾・西の3つの小天守を渡櫓で連結した「連立式天守」が特徴的。1346年に赤松貞範が前身となる姫山城を築き、豊臣秀吉や池田輝政など数多の戦国武将が城主となり、1617年の本多忠政による修築にて現在の全容が整った。以来、大きな戦災を受けず現存12天守の一つでもある。

現存する最大の城門の菱の門

本丸へ向かう最後の砦、にノ門
人気のお城ランキングで常に上位に挙げられる姫路城へ。姫路駅の北口に出ると正面には姫路城の姿が見え、大手前通りを真っ直ぐに進むと15分程で到着。内堀を渡って大手門を潜ると、開放感のある三の丸広場の正面に大天守が飛び込んでくる。入城口でチケットを購入すると最初の建造物は安土桃山時代の様式を残した菱の門。門を抜け右手には三国堀があり記事最初の写真のような天守を含めた構図が素敵な撮影スポットで、風が吹いていなければ綺麗な逆さ姫路城が映り込む。
幾つもの門や櫓と複雑な登城道を進んでいると、長い白壁には円形・三角形・四角形の穴が見られる。この穴は狭間(さま)と呼ばれ、城を守る兵士たちが侵入してきた敵を鉄砲や弓矢で攻撃するための防御施設で現存する狭間の数は997箇所もある。城内屈指の防御力・攻撃力を誇る櫓門のにノ門や複数の水の門を抜けると、やっと大天守の地階に辿り着く。思った以上に遠かったぞ…。

大天守最上階からの眺望