東京都江戸川区のなぎさ公園に建つ「魔法の文学館」は2023年11月に開館。角野栄子の想像力溢れる夢いっぱいの作品と功績を伝え、児童文学の素晴らしさを発信する建物の設計は隈研吾。
魔法の文学館は「魔女の宅急便」や「小さなおばけ」シリーズが代表作として知られる角野栄子の著作はもちろん、世界の児童書や絵本を好きな場所で読むことができるのが一番の魅力。プロジェクションマッピングや4面映像の黒猫シアターなど、館内は楽しい仕掛けも盛り沢山。さらに角野栄子の仕事場を模したコーナーや企画展を開催しているギャラリーもある。カフェではかつての江戸川本流だった旧江戸川を眺めながら、作品に登場するスペシャルメニューを味わえる。
天気の良い3連休の中日に、昨年の開館時から気になっていた魔法の文学館へ。なぎさ公園の丘の上へ歩いていくと、白い外観にピンクのアクセントが可愛らしい建物が見えてきた。「フラワールーフ」と名付けられた屋根は上空から見ると花が開いた形をしている。館内に入ると魔女の宅急便の舞台となったいちご色の「コリコの町」が広がり、壁にはプロジェクションマッピングも投影されている。大階段の端は気軽に座って本を読めるスペースがあるのもとても良い。
奥に進むと「コリコの町の本棚」のエリアでは椅子やカーペットが点在し、まるで秘密基地の中にいるような感覚で本と向き合える。2階に上がると「ライブラリー」にはおうち型の本棚がお出迎え。自分の好きな場所で本を読むことができ、室内だけではなくスタッフに声を掛けると外のテラスでも読書が可能。子どもだけではなく大人も思い思いのスタイルで読書に没頭している。
「栄子さんのアトリエ」は直筆原稿や文房具などが置かれた仕事場の再現展示が楽しめる。棚には愛読書や旅先で集めたお気に入りの小物が並び、好みのファッションやアクセサリーも紹介している。ギャラリーでは作品の食に焦点を当てた企画展「びっくりレストラン」が開催中。ピザLサイズの食品模型生地にトッピングで遊ぶコーナーも大人気だった。（会期は2024/4/12～10/28まで）
1階入口のショップはここでしか手に入らないオリジナルグッズやセレクト雑貨、愛用のアトリエコートなどが揃っている。チェックのトートバックやクリアファイル、1番欲しかった「アッチぬいぐるみキーホルダー」も購入でき大満足。最後は3階のカフェ・キキで一休み。いちご色クリームソーダは美味しくて見た目も可愛くとてもおすすめ。魔法の文学館は受付上に書かれた「本をひらけば たのしい世界」の言葉通り、本の世界に浸れるとても素敵な空間でぜひリピートしたい。
