皇居に近い東京都千代田区の北の丸公園にあり、日本近代美術の歴史を概観できる「東京国立近代美術館」は1969年6月に開館。設計は東宮御所や東京国立博物館東洋館を手掛けた谷口吉郎。
東京国立近代美術館(本館)は国内初の国立美術館として1952年12月、中央区京橋で前川國男の設計により開館。しかしコレクションの増加や企画展を拡充するために現在の千代田区北の丸公園へ移転した。京橋の建物は1970年5月にフィルムセンターとなり、北の丸公園には1977年11月に開館した工芸館を含め3ヶ所で近代美術への関心を喚起する目的で活動している。現在の本館設計は谷口吉郎だが、築30年を機に坂倉建築研究所の設計で大規模改修を施し2002年1月に再開館となった。
開放的な2階のテラス
マルセル・ブロイヤー展のフォトスポット
桜も散り気温も高くなった平日、「マルセル・ブロイヤーの家具:Improvement for good」を観るために東京国立近代美術館(本館)へ。10時開館の30分前に到着して外観や2階のテラスから写真を撮っていたが、その中でも一際目立つ赤い柱はイサム・ノグチの作品「門」。他にも多田美波の「Chiaroscuro」など屋外作品が数点あるため、待ち時間を有意義に過ごすことができる。
開館後、チケットを購入して2階の企画展「マルセル・ブロイヤーの家具:Improvement for good」へ。展示質の入口手前には、お面をつけてマルセル・ブロイヤーの代表作「クラブチェア B3(ワシリーチェア)」に座り写真を撮ることができるコーナーがある。展示は家具デザイナーとしてスタートしたバウハウス時代から、建築家となったアメリカ時代までの華々しいキャリアを4章に分けて紹介している。意外にもマルセル・ブロイヤーの家具作品にフォーカスした展覧会は日本初で、これだけの作品を一度に観ることができるのはかなり貴重な機会。(会期は2017/3/3~5/7まで)
左:奈良美智「Harmless Kitty」/右:「網膜(ワイヤー・ホライズン、タンジェ)」