東京都立川市の国営昭和記念公園内にある「花みどり文化センター」は2005年11月に開館。大地が浮かび上がったような設計は、伊東豊雄とクワハラ・金箱・環境エンジニアリング設計共同体。
花みどり文化センターは昭和記念公園の東側に位置するみどりの文化ゾーンのメイン施設。公園の大半は有料だが、みどりの文化ゾーンは無料で利用できる。施設は緑の文化をテーマにしたギャラリーを中心に、研修室・講義室・昭和天皇記念館(有料)などがある。最大の特徴は大地の表層がめくれ上がったような屋上の「浮遊の庭」で、散策や休憩・市街地の眺望が楽しめる。
伊東豊雄らしいエレベーターのシャフト
何度も乗りたくなるエスカレーター
台風一過の影響で快晴となった3連休の最終日に昭和記念公園へ。総合案内所近くのあけぼの口から芝生広場を抜けると、南側のそよぎの丘から繋がり緑に覆われた花みどり文化センターに到着。公園との一体化を計画した素晴らしいランドスケープデザイン。正面エントランスで天井を見上げると、エレベーターのシャフトからクモの巣状に広がるメッシュのルーバーが風に揺れている。
ぽっかり穴の空いた天井にエスカレーターで吸い込まれるように上がると浮遊の庭が広がる。柔らかいカーブを描いた人工地盤は起伏に富んだ地形で散策路が南北に伸び、建物と公園の境目が曖昧で屋上にいることを忘れてしまう。有料エリアの立川ゲート方面からはみどりの文化ゾーンを繋ぐ高架橋が屋上と同じ高さなので自然な連続感を味わえる。開放的な屋上は立川駅周辺のビル群や富士山を望むことができ、毎年12月下旬にはダイヤモンド富士が見られるスポットとしても有名。
建物の屋上とは思えない浮遊の庭