東京都江戸川区の葛西臨海公園敷地内にある「葛西臨海水族園」は1989年10月に開園。設計は端正でシャープな建築が特徴的で、美術館や公共施設を数多く手がけ国内外で評価が高い谷口吉生。
葛西臨海水族園は「海と人間との交流の場」をテーマに、東京湾岸地区整備事業の一環として建てられた。世界中から集められた600種を超える海の生物に出会えることができ、一番の見どころは世界で初めて外洋性の魚の群泳を実現したクロマグロ。さらに国内最大級の規模を誇るペンギン展示場ではたくさんのペンギンを陸上・水中から楽しめる。ガイドツアーも人気で、平日の「魚の泳ぎ」「マグロの秘密」などテーマに沿った内容と、土・日・祝日は水槽の裏側ツアーがある。
水盤が東京湾の水平線と繋がっているような美しい景色
子どもに大人気の「カクレクマノミ」
梅雨入り前の良く晴れた日曜日に葛西臨海公園へ。谷口吉生が設計した葛西臨海水族園が目的で、開園と同時にエントランスのある「空の広場」を目指す。広場にはガラスドームと噴水池の水盤だけがあり、東京湾との境界線をなくしたシンプルな設計。シンボリックな存在のガラスドームはアートのように美しく、内部のエスカレーターで下りると海中へ潜っていくような演出も素晴らしい。
園内は2階のアカシュモクザメやウシバナトビエイ、マイワシの大群が泳ぐ「大洋の航海者」からスタート。1階に進むと「世界の海」という名の通り、太平洋、インド洋、大西洋、カリブ海、深海、北極海・南極海に分けて珍しい魚たちを中心に展示している。そして水族園のハイライトはクロマグロなどの回遊魚が360度ガラス張りのドーナツ型大水槽で群泳する「アクアシアター」。階段状にシートがあり、自分たちの周囲を優雅に泳ぐクロマグロを座りながらゆっくりと見ることができる。
マグロがダイナミックに回遊する「アクアシアター」