動物・昆虫が自然な姿でのびのびと暮らす「多摩動物公園」
東京都日野市に位置する「多摩動物公園」は1958年5月に開園。上野動物園の分園として誕生し動物をできる限り自由な姿で展示するため、檻の代わりに壕で仕切って放し飼いにしている。
豊かな自然に囲まれた多摩動物公園は上野動物園の4倍ほどの広さで、アジア園・アフリカ園・オーストラリア園・昆虫園と4つのエリアに区分した地理学展示を基調としている。園内には約320種類の動物・昆虫が飼育されゾウやライオンはもちろん、オーストラリアで絶滅の危機にある「タスマニアデビル」を見ることができるのは国内で多摩動物公園だけ。2006年には「野生生物保全センター」も設置され、トキやコウノトリなど希少動物の保全活動にも積極的に取り組んでいる。
2018年5月5日に開園60周年を迎えた多摩動物公園へ。先ずは園の北側にあるアフリカ園を目指す。多摩丘陵の起伏を生かした園内は、良い運動となりそうなアップダウンが続く。工事中の場所もあり、仮設放飼場にいるライオンは上から眺めて見学。アフリカゾウはのんびりと干し草を食べたり、鉄のおもちゃで遊んだりとマイペース。キリンは12頭もいて想像以上の数に少し興奮してしまう。
アフリカ園を抜けてアジア園のフクロウやイヌワシ、コウノトリの鳥類エリアを見ながらコアラのいるオーストラリア園へ。園内の一番奥で丘の上にあるコアラ館には、夜行性のモモンガやヨタカなどオーストラリア産の小獣類も飼育している。コアラは1日の中で眠ったりじっと動かずに14~20時間過ごすようで、この時も殆ど動かなかったが寝顔もぬいぐるみのようでとても可愛い。
園内で一番広いアジア園はタヌキやコウノトリといった日本産の動物をはじめ、オオカミやユキヒョウなどアジア各地に生息する動物にも出会える。銀色の毛並みが美しいユキヒョウは親子で楽しそうに追いかけっこをしたり、じゃれ合ったりしている。動物園のアイドル・レッサーパンダは、太いしっぽを揺らしながら木の枝を伝って愛嬌を振りまく。レッサーパンダも絶滅危惧種だが2018年6月・7月と立て続けに子どもが産まれ、母子ともに順調に成長しているようで今後も楽しみ。
アジア園でも特に人気なのはオランウータンのスカイウォーク。高さ15mのタワーにかけられた、幅150mのロープをダイナミックに移動する姿を見ることができる。オラウータンは大きな体に手の握力が300~400kg以上もあり、腕の力だけで体を支えるほどの力持ち。この他にも昆虫園やモグラのいえなど見どころ満載。発着場の耐震化工事で休止中のライオンバス再開も待ち遠しい。