ベルリン中心地から西に離れたティーアガルテン地区に位置する「バウハウス アーカイブ」は1979年に開館。設計は建築・美術の教育機関「バウハウス」の創立者、ヴァルター・グロピウス。
バウハウス アーカイブはモダンデザインの基礎を築き、建築や美術・デザインに多大な影響を与えたバウハウス造形学校の資料や歴史(1919~1933年)を展示しているミュージアム兼資料館。正式名称は「バウハウス アーカイブ ミュージアム オブ デザイン」。僅か14年の歴史だったが建築界の巨匠ミース・ファン・デル・ローエや抽象絵画のパウル・クレーを筆頭に、グラフィックやプロダクトでも影響を与える多彩かつ豪華なマイスターたちがバウハウスの思想を後世に伝播していった。
バウハウスを象徴する三原色を使用したカラフルな看板
建物の入口までは緩やかな下りのスロープが続く
新ナショナルギャラリーに寄った後、天気が良かったためゆっくり歩いて30分ほどでバウハウス アーカイブに到着。建物の入口までは長いスロープが続き、ラントヴェーア運河のほとりに静かに佇む白い低層建築を眺めながら進む。エントランスの看板とポールは直線と円の幾何学的模様でデザインの基本形。バウハウスらしいカラフルな配色で、建物に対する良いアクセントになっている。
ミュージアムパスを見せ地下のロッカーに荷物を預けに下りると、階段と床には木口面の見えるタイルが丁寧に敷き詰められている。館内はミースのバルセロナ・パビリオンにデッサウの本校舎などの建築模型や、家具・生活道具を展示。中でもバウハウスの代名詞ともいえるマルセル・ブロイヤーのパイプ椅子は、時代と共に進化していく様子が分かりとても興味深い。展示品についての詳細は、入館料に含まれている音声ガイドを借りるのがおすすめ。嬉しいことに日本語もある。
白を基調とした低層の建物