日本で最も歴史ある博物館の一つで、国立では唯一の総合科学博物館として上野公園内に位置する「国立科学博物館」は1877年1月に開館。設計は文部省大臣官房建築課の技師、糟谷謙三。
国立科学博物館は人類と自然との共存をテーマに、約400万点ものコレクションの中から「地球館」と「日本館」で1万点以上を常設展示している。広大な館内には恐竜の化石や大型の哺乳類に鳥類の剥製などが数多く展示され、物理や化学の実験、自然観察会などのイベントも多数開催されている。建物の外には全長30mもの「シロナガスクジラ」の実物大模型や「蒸気機関車D-51」、日本初の人工衛星「おおすみ」を打ち上げるために使われた「ラムダロケット」と「ランチャー」がある。

ネオ・ルネサンス様式を基調として建設された重厚な建物

ホホジロザメの全身液浸標本
特別展として開催中の「海のハンター展 ―恵み豊かな地球の未来―」を観るために国立科学博物館へ。(会期は2016/7/8~10/2まで)海のハンターでも代表格であるサメを中心にミナミゾウアザラシやアンコウなど「深海」「極域」「外洋」「浅海」の4つの生息域に分けて展示している。
見どころは国内外でも例のない3.2mもあるホホジロザメの全身液浸標本。時間が経過するとサメの目が白く変色してしまうため、この展示会を逃すと本来のサメの色が見ることができない。太古の海に繁栄したハンターとして全長12.5mの「カルカロドン・メガロドン」の復元模型や、タラソメドンという首長竜の化石などは迫力満点。さらに人類もハンターというテーマでマグロやウナギにクエの養殖について紹介され、共存することで命の源となる海の大切さについて色々と考えさせられる。

世界最高齢の養殖クロマグロの剥製