神戸市の東部新都心として開発されたHAT神戸に位置する「兵庫県立美術館」は2002年4月に開館。美術館としては西日本最大級の規模で、異国の神殿に迷い込んだような建物の設計は安藤忠雄。
兵庫県立美術館は1970年10月に開館した兵庫県立近代美術館のコレクションを継承し、阪神・淡路大震災の復興のシンボルとして設立。愛称は「芸術の館」で、ガラスに覆われ南北に伸びる直方体3つとコンクリートで構成され、光を効果的に演出する安藤忠雄らしい建築スタイル。国内外の作品を紹介する特別展、13,000点を超える収蔵品からテーマに沿って展示するコレクション展、安藤忠雄の作品模型や関連図書を無料で公開しているAndo Galleryなどアートと建築を楽しめる。

安藤忠雄デザインのオブジェ「青りんご」

美術館のシンボルとされている円形テラス
いつかは訪れてみたいと思っていた兵庫県立美術館へ。阪神電車の岩屋駅からアート作品が点在しているミュージアムロードを歩くと約8分ほどで到着。美術館の屋上にはオランダの美術家、フロレンティン・ホフマンの巨大オブジェ「美かえる(Kobe Frog)」がお出迎え。開館前のため先ずは外観を巡る。海側のガラスに包まれた3棟のボックスから伸びるコンクリートの大庇が特徴的でとても格好良い。3階の海のデッキスペースにはフォトスポットとしても人気の青りんごが設置されている。
地下駐車場と1・2階のエントランスホールを屋外で繋ぐ円形テラスは、 吸い込まれそうな螺旋階段が美しい。時間となり館内へ入ると所々に降り注ぐ自然光と陰影のコントラストが様々な表情を見せ、巨大迷路のような構造も相まって神殿の中にいるような雰囲気。常設展示入口は16mの吹き抜けを行き来する階段が見どころで、円形テラスの螺旋階段と併せて階段好きには堪らない。

常設展示室入口の階段