六本木ヒルズ森タワーの53階に位置する「森美術館」は2003年10月に開館。設計はニューヨークのホイットニー美術館や、マラガのピカソ美術館などを手掛けたリチャード・グラックマン。
森美術館は「現代性」と「国際性」を理念に掲げ、世界の先鋭的な美術や建築、デザインなど多彩な企画展を行っている。地上約230mと建物内の展示としては国内最高所となり、六本木という立地を活かして22時まで鑑賞できる。今回は「宇宙と芸術展:かぐや姫、ダ・ヴィンチ、チームラボ」が開催中で、ダ・ヴィンチやガリレオ・ガリレイなどの歴史的な天文学資料から、チームラボの新作インスタレーションまで様々な作品が展示されている。(会期は2016/7/30~2017/1/9まで)
森美術館への専用入口「ミュージアムコーン」
ビョーン・ダーレム「ブラックホール(M-領域)」
美術館で宇宙のテーマをどのように展示しているのか、非常に興味深い今回の展覧会。森美術館のシンボルゲート「ミュージアムコーン」からチケットカウンターへ進みチケット購入後、高速エレベーターで一気に52階へ。美術館はさらにセンターアトリウムのエスカレーターから53階へ上がり、M字型の入口に吸い込まれるような空間は非日常の世界へ誘う導線として素晴らしい設計。
館内は「人は宇宙をどう見てきたか?」「宇宙という時空間」「新しい生命観―宇宙人はいるのか?」「宇宙旅行と人間の未来」の4つのセクションに分かれ、過去から未来へ向かって新たな宇宙観や人間観を提示。仏教の観点から宇宙を紐解いた「曼荼羅」や日本最古のSF「竹取物語絵巻」に最古の天文図など、歴史的資料が広い贅沢な空間に並んでいるためゆったり堪能することができる。
コンラッド・ショウクロス「タイムピース」