日本・東洋の古美術品コレクションを展示し、広大で美しい日本庭園がある南青山の「根津美術館」は1941年10月に開館。歴史ある美術館は隈研吾の設計により2009年10月にリニューアル。
根津美術館は東武鉄道の社長などを務めた実業家で、政治家・茶人でもあった根津嘉一郎が収集した国宝7件・重要文化財87件・重要美術品94件を含む約7,400点ものコレクションを収蔵・展示している。展覧会は企画展や特別展、コレクション展を毎年6・7回開催。約17,000平方メートルの緑豊かな日本庭園もあり、4棟の茶室や石像などを見ながら起伏に富んだ地形を散策できる。
エントランスではNとMを屏風に仕立てたロゴが迎える
ガラスを多用し光が降り注ぐエントランスホール
2012年3月に開通した広尾の山種美術館から赤坂のサントリー美術館まで5つの文化施設が並ぶ通称「青山美術館通り」に位置する根津美術館。大きな切妻屋根が特徴的でエントランスから入口へのアプローチは竹が垣根のように40mほど連なり、いきなり隈研吾らしい和の世界に引き込まれる。
館内は1・2階に展示室、地下に講堂があり、エントランスホールは切妻屋根の傾斜を活かした空間と、ガンダーラや中国の仏像が中庭を背景に展示している。根津美術館といえば尾形光琳の国宝「燕子花図屏風」が有名だが展示は毎年4月中旬から5月中旬まで。今回はコレクション展で「鏡の魔力」一村上コレクションの古鏡一、特別企画では「若き日の雪舟」として「芦葉達磨図(ろようだるまず)」が初公開されるなど毎回新鮮さのある展示が見どころ。(会期は共に2016/5/26~7/10まで)
桟瓦が美しく敷き詰められている本館の大屋根