軽やかで気品あるドレスを纏った「ディオール表参道」

軽やかで気品あるドレスを纏った「ディオール表参道」

個性的な建築が連なる表参道で、ドレスを纏ったような佇まいが特徴的な「ディオール表参道」は2003年12月にオープン。設計は金沢21世紀美術館などで知られる妹島和世と西沢立衛のSANAA。

クリスチャン・ディオールの旗艦店として建てられたディオール表参道。建物は地下1階から地上4階・塔屋の構成でエレガントなディオールのレディースとメンズ・ハンドバッグ・ジュエリー・化粧品などを数多く取り揃えている。1階と2階のインテリアデザインは世界有数のデザイン事務所、ピーター・マリノ・アーキテクトが担当。ガラスとドレープ状の半透明アクリルの二重構成で外と中が断絶されず開放性の高い建物は、妹島和世と西沢立衛の建築ユニット・SANAAが設計。

ディオールの幸運チャーム「ラッキー スター」

ディオールの幸運チャーム「ラッキー スター」

外壁はガラスとアクリルの二重レイヤー

外壁はガラスとアクリルの二重レイヤー

表参道ヒルズの対面にあるディオール表参道へ。高さは約30mあるにもかかわらず、フロアと高さの異なる設備空間を繰り返すことで4階建てに仕上げている。ふと上を見上げるとディオールにとって幸運のお守り「ラッキー スター」が建物の一番上で輝く。外壁はガラス張りとドレスのひだのようにカーブした半透明のアクリルスクリーンが四方を囲み、シルエットを優美に見せる。光の反射や景色の映り込みで表情を変え、SANAAらしい軽やかで透明感のあるデザインになっている。

建物内に入ると1階はハンドバッグ、ジュエリー&ウォッチが並ぶ。2014年10月にリニューアルされた内装は、パリのアヴェニュー・モンテーニュ本店のデザインコンセプトをよりモダンにアップデート。複数のコンテンポラリー・アーティストにも依頼して中央フロアにはテレンス・メインのベンチが、その奥にはフラワーアートを組み合わせたヨラメのビデオアートウォールが配されている。

美しいケヤキ並木と光の映り込み

美しいケヤキ並木と光の映り込み

入り口ガラス越しに見る店内

入り口ガラス越しに見る店内

2階はレディースウェア・シューズ・フレグランスで、地下1階のメンズウェアと合わせてディオールの全カテゴリーが揃う。フレグランスルームはマリー・アントワネットも好んだトワルドジュイパターンのウォールが魅力的な空間を演出。その他にも存在感のあるメタリックベンチなど、もはやブティックというよりはコンテンポラリー・アート・ミュージアムの方がしっくりする。

ディオール表参道は夜の外観もかなり素敵でショーケースのように煌めいていて幻想的。照明は建物のシルエットが影にならないよう外から当てる光を反射させ、中の明るさと外の明るさを両立することで浮かび上がるような視覚効果を実現している。今度はぜひ夜の写真を撮るために訪れよう。

表参道ヒルズ側からの外観

表参道ヒルズ側からの外観

ディオール表参道/Dior Omotesando

住所
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5-9-11 < 地図を表示 >
Tel
03-5464-6260
設計
SANAA(日本)
公式サイト
ディオール表参道
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