アートの創造性を体感する「アーティゾン美術館」

アートの創造性を体感する「アーティゾン美術館」

東京の京橋にある「アーティゾン美術館」は2020年1月に開館。前身だったブリヂストン美術館の伝統と最先端の技術を組み合わせることで文化に貢献し、多彩な美術の楽しみを提供している。

アーティゾン美術館は1952年1月に開館したブリヂストン美術館を、2015年5月から約5年の歳月を経て新築・建て替え工事しリニューアル。館名もアートとホライゾン(地平)の造語からなるアーティゾンに改名し、アートによる限りない地平を様々な方に感じ取って欲しいとの意志が込められている。作品はブリヂストン創業者の石橋正二郎が収集したコレクションを中心に約3000点を所蔵。古代美術から現代アートを紹介し、時代を越えた芸術の魅力を堪能できる施設になっている。

倉俣史朗の作品に触れられる6階ロビー

倉俣史朗の作品に触れられる6階ロビー

ストライプ模様が特徴のポルトロノーヴァの家具

ストライプ模様が特徴のポルトロノーヴァの家具

Casa BRUTUSのNo.316でエットレ・ソットサスの展覧会を知り、アーティゾン美術館へ。JR東京駅(八重洲中央口)からは5分程の距離にあり、ガラス張りの外観と正方形の御影石を用いた円柱が上質感を醸し出している。1階でチケットを提示し展示は6階から下の階へ進んでいく。内装デザインも見応えがあり、壁面など素材にこだわり間接照明で奥行き感や空間の連続性を強調。さらにインテリアデザイナー・倉俣史朗のソファやベンチもあり、実際に座れるのはかなり嬉しい。

展覧会は「エットレ・ソットサス —魔法がはじまるとき、デザインは生まれる」が開催中で、イタリアデザインの巨匠・ソットサスの作品を紹介。ソットサスはポストモダンの旗手で、前衛デザイナー集団「メンフィス」も結成し斬新で挑発的なプロダクトを次々と生み出した。会場は年代ごとに5つのセクションに分かれ、ソットサスの創作の軌跡を辿る。(会期は2026/6/23~10/4まで)

陶器を積み上げた柱状のシリーズ「トーテム」

陶器を積み上げた柱状のシリーズ「トーテム」

左:カールトン/右:カサブランカ

左:カールトン/右:カサブランカ

今回のお目当てはソットサスの代表作で本棚であり、間仕切りであり、チェストでもあるカールトン。間違っても機能家具ではなく、色彩の可愛さに置くだけで空間を書き換えてしまうアートにしか見えない。もう1点はオリベッティ社から1969年に発売された、赤バケツの愛称でも知られるタイプライターのヴァレンタイン。遊び心のあるデザインで、インテリアとしても十分魅力的だ。

18点並んだガラス製の花瓶も秀逸で、大胆さと繊細さが共存したデザインに強く惹かれる。ソットサスの世界を満喫した後は、2階のミュージアムショップでカールトンのアクリルスタンドキーホルダーを購入。色々と刺激を受けるソットサス展は、会期中に必ず再訪したい。アーティゾン美術館は都市型の美術館として精度の高いデザインを実現し、洗練された空間で素晴らしかった。

鮮やかな色彩とユニークなフォルムの花瓶

鮮やかな色彩とユニークなフォルムの花瓶

アーティゾン美術館/Artizon Museum

住所
〒104-0031 東京都中央区京橋1-7-2 < 地図を表示 >
Tel
050-5541-8600
設計
日建設計
公式サイト
アーティゾン美術館 Artizon Museum, Tokyo