アラブ世界とフランスの文化交流を促進するパリの「アラブ世界研究所」。ジャン・ヌーヴェル設計の建物に魅せられての3度目となる訪問は、夜の外観を撮る目的が思わぬサプライズに歓喜!
パリでアラブ諸国の文化に親しむことができる「アラブ世界研究所」。そのアラブ世界研究所へ近くのホテルから三脚を担ぎ張り切って到着すると、南側広場に何やら不思議なパビリオンが建っている。パビリオンの正体はシャネルモバイルアート!設計はイラク・バグダード出身の女性建築家、ザハ・ハディド。2004年にはプリツカー賞を受賞した世界的な建築家で、パリでザハ・ハディドの作品は初めて。以前東京に上陸した時に見ることができなかったためかなり嬉しいサプライズ。
ザハ・ハディド設計の「モバイルアート」
アラブ世界研究所のエレベーターから見るモバイルアート上部
白い流線型で宇宙船のようなモバイルアートは重量80トン、長さは45mで最新技術を駆使してフォルムを支える可動式パビリオン。シャネルのデザイナー、カール・ラガーフェルドがザハ・ハディドに直接依頼し実現。同ブランドのキルティングバッグからインスピレーションを得てデザインされた。
このパビリオンは旅するアートとして2008年2月の香港を皮切りに、東京とニューヨークを巡回。その後モスクワやパリを巡る予定だったが、2009年の世界金融危機のため実現できなかった。しかしアラブ世界研究所の会長ドミニク・ボーディの申し出から寄贈することが決定し、2011年4月末から一般公開された。オープニングパーティーにはプリツカー賞を受賞したジャン・ヌーヴェルとザハ・ハディドが出席。今後はアラブ諸国に関連するコンテンポラリーアート発展のために活用していく。
モバイルといっても実際はかなりのサイズ