上野にあるモネ、ルノワールなど印象派の絵画やロダンの彫刻をはじめとする西洋美術専門の「国立西洋美術館」は1959年4月に開館。設計は近代建築三大巨匠の一人、ル・コルビュジエ。
国立西洋美術館は川崎造船所(現 川崎重工業)社長を務めた松方幸次郎のフランス美術コレクション「松方コレクション」を中心に展示。松方コレクションは第二次世界大戦後、フランス政府に差し押さえられたが返還条件として国立西洋美術館が建てられた。14世紀から20世紀初頭までの作品約5,500点を所蔵し、常設展はもちろん様々な展覧会を開催して西洋美術を多くの人に広く知ってもらうことを目的としている。展覧事業以外では資料の収集、調査研究、教育普及なども行っている。
松方コレクションと深い関わりがあった「フランク・ブラングィン」の展覧会
館内は広く一つひとつの作品をじっくり鑑賞できる
上野駅直ぐ側の上野恩賜公園内にある国立西洋美術館へ。広場にはエミール=アントワーヌ・ブールデルの「弓をひくヘラクレス」や、オーギュスト・ロダンの「考える人」「地獄の門」といった有名な彫刻を展示。館内に入ると先ずは常設展の絵画や彫刻を鑑賞。中でもモネの「睡蓮」はやはり特別な存在感。ここで足を止め見入っている人が多い。常設展は基本写真撮影ができるのも素晴らしい。
展覧会は美術館50周年記念事業として「フランク・ブラングィン展」と「所蔵水彩・素描展―松方コレクションとその後」が開催中。フランク・ブラングィンは絵画以外に室内装飾や陶磁器など多方面に活躍した芸術家で、美術品購入などのアドバイザーとして松方コレクションの形成に深く関与した重要人物。作品は世界各国の美術館、コレクターが所蔵する約120点を展示。所蔵水彩・素描展では普段目にすることの少ない水彩・素描作品の魅力を紹介している。(会期は2010/2/23~5/30まで)
ル・コルビュジエ建築特徴の一つ、スロープ