公園のように誰でも気軽に訪れることのできる「金沢21世紀美術館」は2004年10月に開館。設計は同年にヴェネチアビエンナーレ国際建築展の金獅子賞を受賞した建築ユニットのSANAA。
金沢21世紀美術館は愛称「まるびぃ」や「21美(にじゅういちび)」と呼ばれ、白い円盤形に全面ガラス張りの建物が特徴的。収蔵作品は空間全体を活かしたインスタレーションなど、世界で活躍しているアーティストの現代アートを展示。金沢周辺の子どもたちを中心とした教育活動や産業・工芸デザインに刺激を与えるなど、地域社会の活性化にも貢献している。建物は2010年にプリツカー賞も受賞したSANAA(妹島和世+西沢立衛)の代表作ということで多くの建築ファンも訪れる。
遊歩道からの本多通り口エントランス
レアンドロ・エルリッヒ「スイミング・プール」
兼六園の真弓坂口から交差点を渡った場所にある金沢21世紀美術館へ。GW中のためチケットカウンターはかなりの行列。有料の企画展は空間と戯れるデンマーク若手作家の「イェッペ・ハイン 360°」、音楽家ツエ・スーメイの作品「エコー」を中心に音楽をモチーフとした作品世界「サイレント・エコー コレクション展 I」が開催中。(会期は2011/4/29~7/18まで)「交流ゾーン」と呼ばれる場所は入場無料で、想像力をかきたてる常設展示作品をいつでも気軽に楽しむことができる。
常設展示最初の作品は美術館を代表するレアンドロ・エルリッヒの「スイミング・プール」。離れて見る限りは水の入った普通のプールだが、上から覗くと水中を人が歩き、下から見上げれば水の中にいるような感覚に。アートを上下で楽しむ作品は珍しく、知らない人でも手を振り返してくれるなどコミュニケーションが生まれる素敵な作品。(プールの下へは有料の展覧会観覧券が必要)
左:パトリック・ブラン「緑の橋」/奥:マイケル・リン「市民ギャラリー」