国内外の近代美術品を収集・展示し、群馬県高崎市に位置する「群馬県立近代美術館」は1974年10月に開館。設計はこの建築で日本建築学会賞を受賞し世界で最も著名な建築家の一人、磯崎新。
群馬県立近代美術館は日本・西洋の近代美術を中心に、群馬ゆかりの作家の作品から古美術の戸方庵井上コレクションなど幅広いジャンルの作品を約1,900点収蔵している。時代と共に施設も拡充し、ミュージアムショップ・レストランはもちろん講堂やシアターもある。より芸術を身近で親しんでもらうため、ワークショップやギャラリートーク、コンサートなども積極的に開催している。
開放的で明るいエントランスホール
期待が高まる2階への階段
建設省が決定した全国に森林公園を設置する明治百年記念事業の一つ「群馬の森」。その敷地内入ってすぐ左手にあるのが群馬県立近代美術館で、水盤の上に張り出した展示室(山種記念館)が特徴的。ホワイトキューブと呼ばれる12m角の立方体を多用した磯崎新の代表作で、この立方体を展示空間として活用したものは世界の現代美術の展示で多用され、原型がこの美術館と言われている。
入り口からガラス張りの通路を歩いた先は2層吹き抜けのエントランスホール。側面ガラスから明るい光が差し込み、コンクリートとのコントラストが綺麗で開放的な空間となっている。館内はこのエントランスホールを中心に各展示室や講堂、レストランなどが配置されている。最初の展示室は分厚いコンクリートをくり抜き、ぽっかりと四角い大きな穴が空いたような入口からスタート。
光に導かれるような展示室を結ぶスロープ