現代アートの島、直島のエントランス「宮浦港」

現代アートの島、直島のエントランス「宮浦港」

穏やかな瀬戸内海に浮かぶ美しい景色と現代アート・建築が楽しめる直島。旅の出発点となる直島の「宮浦港」には魅力的な作品が点在し、アートの島に訪れたことを実感させてくれる。

直島は周囲16km、人口約3,100人が住む小さな島。瀬戸内国際芸術祭が開催された2016年には約72万人がこの島を訪れ、欧州を中心に海外からの旅行者も多い。島の玄関口として西側に位置する宮浦港には、SANAA設計のフェリーターミナル「海の駅 なおしま」や草間彌生の「赤かぼちゃ」、大竹伸朗の直島銭湯「I♥湯」、藤本壮介の「直島パヴィリオン」など直島らしい作品に出会える。

大巻伸嗣「Liminal Air -core-」

大巻伸嗣「Liminal Air -core-」

フェリーから見る海の駅と作品

フェリーから見る海の駅と作品

2012年以来、6年ぶりの直島。4歳の子どもには少し早いと思いつつ、本来ならば毎年訪れたい素敵な場所。宿泊は高松港がすぐ目の前にある「JRホテルクレメント高松」を選択。フロントに荷物を預けてフェリーの出発を待つ間に、大巻伸嗣の作品で高さ8mになる2本の柱「Liminal Air -core-」を写真に収める。直島までは高速旅客船だと約30分で到着するが、ソファーで寛ぎ展望デッキから瀬戸内海の景色を眺めながら船旅気分を楽しめるフェリーがおすすめ。(直島まで約50分)

フェリーの発着所、宮浦港に到着するとまずは草間彌生の「赤かぼちゃ」へ。赤と黒の水玉模様が異彩を放つも、可愛いぷっくりとしたフォルムで直島の景色にとても馴染んでいる。中に入ることもでき、水玉の一部はくり抜かれ外とは違う雰囲気を楽しめる。赤かぼちゃの近くにあるクロームメッキで施されたSANAAデザインの椅子を観た後は、白くて不思議な形をしたオブジェへ。

草間彌生「赤かぼちゃ」

草間彌生「赤かぼちゃ」

藤本壮介「直島パヴィリオン」

藤本壮介「直島パヴィリオン」

白いオブジェは、2015年3月に直島町の町制施行60周年記念事業の一環として作られた藤本壮介の「直島パヴィリオン」。コンセプトは27の島々で構成される直島の「28番目の島」で、蜃気楼により海面に浮かぶように見える浮島現象をイメージしている。三角形のステンレスネットが約250枚使用され、赤かぼちゃ同様中に入ることができる。三角形の大きさや組み合わせの角度が異なる幾何学的オブジェで、ハムスターのようにぐるぐる回る子どもには今回の直島で一番楽しめた作品。

SANAA設計の「海の駅 なおしま」へ行き、建物を一回り見て少し休憩をとる。夏のような日差しで、Cafe Ougiyaのクレミアソフトクリームがとても美味しい。この日はレンタカーを予約していたため海の駅の向かいにあるお店で同意書へのサイン、精算をして鍵を受け取る。ついに待ちに待った直島の旅がスタート。はやる気持ちを抑えて、目指すは島の南にあるベネッセハウス周辺へ。

SANAA「海の駅 なおしま」

SANAA「海の駅 なおしま」

直島 宮浦港/Naoshima Miyanoura Port

住所
〒761-3110 香川県香川郡直島町宮ノ浦 < 地図を表示 >
Tel
087-892-2626
設計
「海の駅 なおしま」SANAA(日本)
公式サイト
「直島(なおしま)観光旅サイト」直島町観光協会公式
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