表参道駅からみゆき通りを根津美術館方面へ向かう南青山にある「コレッツィオーネ」は1989年9月にオープン。コンクリートの打ち放しに閉鎖的でストイックな空間の設計は安藤忠雄。
コレッツィオーネは隣の「フロム・ファースト・ビル」同様に、商業・オフィス・住居空間を備えた複合施設。周囲の落ち着いた街並みに配慮し高さを地上4階に抑え、地下3階でも自然光を導く造りとなっている。内部は階段・通路が入り組み、まるで迷路のような導線が来訪者に刺激を与える。施設はショップ以外に展示会やパーティーを開催できるイベントホールやフィットネスクラブもある。
直線的なコンクリートに曲面ガラスがアクセントとなる外観
先の見えない導線が好奇心を煽るメインエントランス
表参道駅からヘルツォーク・ド・ムーロン設計のPRADAブティック青山店など、有名建築が並ぶみゆき通りを歩いて5分ほどでコロッツィオーネに到着。赤い看板が良く目立ち外観はコンクリート打ち放しの直方体と円筒の組み合わせで、安藤建築らしさが出ている。 この建物は東京の安藤建築の中でも初期の作品で重厚感があり、環境に対する都市建築のあり方など背景も含め見どころが多い。
メインエントランスは左右に2ヶ所ずつ階段・通路があり、まずは右上の階段を選択。2階は円筒に沿った螺旋階段にショップをつなぐブリッジや、地下への導線となる階段などが集中し行き先を惑わせる。どの導線も何処に繋がっているのか分からず好奇心から色々と徘徊することに。一度通っただけでは全容を把握するのは難しいが、子どもだと秘密基地を探検しているような楽しい空間。
階段・ブリッジなどが複雑な空間を演出