館内の各所にアートがあり客室からは瀬戸内海、さらには四国の山並みが一望できる直島「ベネッセハウス パーク」は2006年7月に開館。設計は直島で数々の建築を手掛けている安藤忠雄。
ベネッセハウス パークは宿泊施設以外に現代美術作家 杉本博司のサイトスペシフィック・ワークをはじめ、宿泊者だけが鑑賞できる作品を展示している。建物は安藤建築では珍しく温かみのある木が多用され、コンクリートとのコントラストが新鮮に映る。客室は全41室、ツインからスイートまで5つのタイプがあり、テラスレストランやスパ、ショップ、最大120名を収容できるパークホールも併設。ベネッセハウスの宿泊者は、20:00からパーク地下1階を中心にアートツアーに参加できる。
コンクリートの打ち放しによるエントランス
客室は自然に溶け込むような木造2階建て
宮浦港から車で約10分ほどでベネッセハウス パークに到着。駐車場からの外観はコンクリートの打ち放しで、緑が壁をつたい張り出した四角い車止めがとても格好良い。フロントもコンクリート壁に細長いガラスの入ったスリットから光が差し込み、いかにも安藤忠雄らしい空間。宿泊棟入口前にはアントニー・ゴームリー本人の型を取ったオブジェ「サブリメイトIV」が迎えてくれる。宿泊者がフロントへ行く時、このオブジェの存在を忘れて扉を開けると誰かがいるのかと驚いてしまう。
フロントから地下へ降りると杉本博司の作品「光の棺」「松林図」「苔の観念」などを展示している。さらにコンクリートの長い回廊を進み、スパとミュージアムショップを結ぶ水色の通路には壁に1万5千個のガラスキューブが埋め込まれたテレジータ・フェルナンデスの作品「ブラインド・ブルー・ランドスケープ」が弧を描いて輝いている。角度を変えて覗くと様々な外の景色を見せてくれる。
テレジータ・フェルナンデス「ブラインド・ブルー・ランドスケープ」