直島のシンボル「かぼちゃ」などのベネッセハウス屋外作品

直島のシンボル「かぼちゃ」などのベネッセハウス屋外作品

ベネッセハウス屋外周辺には、直島のアイコン的存在で草間彌生の代表作「南瓜」(黄色い水玉模様のかぼちゃ)をはじめ、個性的で魅力ある現代アートが立地を活かして展示されている。

島全体がアートスペースの直島に相応しく、ベネッセハウス(ミュージアム・オーバル・パーク・ビーチ)の施設をとりまく海岸線や林間に数多くの作品が点在している。アーティストが自ら場所を選び、直島のためだけに制作した作品(サイトスペシフィック・ワーク)も数点あり、全て写真撮影できるのが嬉しい。中には岸壁や階段下など見落としてしまう場所にもあるため島を探検しているようなワクワク感を楽しむことができ、美術館内で観る作品とは全く異なる魅力を纏っている。

草間彌生「南瓜」

草間彌生「南瓜」

ニキ・ド・サンファール「象」

ニキ・ド・サンファール「象」

パオと和風コテージの宿「つつじ荘」からベネッセハウスへ繋がる砂浜は「琴反地(ごたんぢ)海水浴場」。見えてきたのは直島のシンボルで草間彌生の作品「南瓜」(黄色いかぼちゃ)。個性的で強烈な水玉模様に、ヘタは高松市の方向を示している。満潮時は波止場の上まで海水に浸り、かぼちゃが海に浮かんでいるように見える。このかぼちゃのヘタは台風で流されて漁師に救出されたことがあるらしい…。最近は台風前には避難されるようで、皆からとても愛されている水玉かぼちゃ。

砂浜の後ろに広がる芝生広場にはカレル・アペルの「かえると猫」と、ニキ・ド・サンファールの「象」「らくだ」などの作品が並ぶ。鮮やかな色彩で背中には鉢があり実用的で茶目っ気たっぷり。ガラスに反射する風景を楽しむダン・グラハムの作品「平面によって2分割された円筒」もある。

ダン・グラハム「平面によって2分割された円筒」

ダン・グラハム「平面によって2分割された円筒」

ジョージ・リッキー「三枚の正方形」

ジョージ・リッキー「三枚の正方形」

ベネッセハウス ミュージアムへ続く道の途中にある作品は、ジョージ・リッキーの「三枚の正方形」。風を受けてゆらりと動き、鉄の板に光が反射してとても綺麗。撮影スポットとしても人気の作品は、地面に水槽が埋め込まれ水の抵抗で動く仕組みになっている。海岸へ降りると大竹伸朗の作品「シップヤード・ワークス 船尾と穴」や「シップヤード・ワークス 切断された船首」もある。

この他にウォルター・デ・マリアや杉本博司などの作品もあるが、「南瓜」や「シップヤード・ワークス」を観ていると、作品が直島に流れ着いたように思える。離島ということも一つの大きな要因だが、「島とアート」の組み合わせは思った以上に新鮮で素晴らしい体験を演出している。

大竹伸朗「シップヤード・ワークス 船尾と穴」

大竹伸朗「シップヤード・ワークス 船尾と穴」

ベネッセハウス 屋外作品/Benesse House Outdoors Work

住所
〒761-3110 香川県香川郡直島町琴弾地 < 地図を表示 >
Tel
087-892-3223
公式サイト
ベネッセハウスミュージアム
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