日常的な出来事に改めて目を向け、デザインの視点から提案・発信する「21_21 DESIGN SIGHT」は2007年3月に開館。巨大屋根や日本最長の複層ガラスなど建築技術を結集した設計は安藤忠雄。
21_21 DESIGN SIGHTはデザインの現状・制作現場をよく知るデザイナー、三宅一生(服飾)・佐藤卓(グラフィック)・深澤直人(プロダクト)がディレクターとなり、アソシエイトディレクターの川上典李子と共に企画を担当。訪れる人がデザインについて表層を飾るだけではなく、その背景について考え・楽しみながら鑑賞・体験できるデザイン専門施設。「日常」をテーマにした展覧会を中心に、トークやワークショップなど多角的なプログラムを開催して、デザインの新しい未来を切り拓く。

地面に向かって傾斜している独創的な屋根

シンプルなロゴに控えめな入り口
安藤建築を求めて六本木を代表する「東京ミッドタウン」の敷地内にある「21_21 DESIGN SIGHT」へ。名称は「トゥーワン・トゥーワン・デザインサイト」と読み、由来は英語で優れた視力のことを「20/20 Vision(Sight)」と表すことから、デザインはさらに1歩先を目指す意味を込められている。水色のロゴプレート「21_21」は住所表示板のようなデザインでコンクリートによく映える。
建物は折り曲げられた巨大な鉄板の屋根が地面に向かって傾斜しているのが特徴で、三宅一生の「一枚の布」に対する思想を反映。平屋に見える構造も大半が地下にあり地下1階地上1階の低層建築で、背後に立ち並ぶヒマラヤ杉が隠れないよう周辺環境にも配慮している。地上はエントランスにギャラリーとショップ、地下は2つのギャラリーとサンクンコートで構成され思った以上に広くて明るい。

左:レストラン「カノビアーノ カフェ」/右:ギャラリー