名古屋市の中心部、栄の白川公園内にある「名古屋市美術館」は1988年4月に開館。設計は地元・愛知県出身の黒川紀章で、自然豊かな公園と融合した美しい建物は代表作の一つになっている。
名古屋市美術館は4つの柱「郷土の美術」「エコール・ド・パリ」「メキシコ・ルネサンス」「現代の美術」に基づいて作品を収集。常設展は約11000点の所蔵品の中から1年度を2・3期に分けて展示し、特別展では国内外美術館とのコラボなど様々なテーマで積極的に開催している。黒川紀章の建築も見どころで、日本の伝統的手法と西洋建築様式の共生を実現。美術関連図書を閲覧することができる図書室や、カフェ・ミュージアムショップなど施設も充実しているのでゆっくりと過ごせる。

地階へ自然光を注ぐサンクンガーデン

シュールなフライングマン
昨年に埼玉県立近代美術館を訪れてから、行ってみたいと思っていた名古屋市美術館へ。設計はどちらも黒川紀章で、外観は鳥居をイメージした格子状のアプローチグリッドや曲線のガラス張りが共通している。良く見るとアプローチグリッドの西側にはメタリックな鳥居が2つあり、未来を想起させるオブジェのようで面白い。V字型の建物に挟まれた中央スペースには谷のように掘り下げられたサンクンガーデンが配置され、地階の圧迫感を和らげ公園の自然を繋ぐ役割を果たしている。
館内に入ると地階から地上2階の3層吹き抜けロビーが開放的で、ジョナサン・ボロフスキーの作品が目を引く。1つは天井から吊るされた「フライングマン」で来場者を迎えるシンボル的存在。もう1つは地階の「ハンマリングマン」で、定期的に動きだすと思わず見入ってしまう。ブリッジを繋ぐドア枠などには梅鉢紋のシルエットがあり、ここでも日本の伝統を落とし込んでいる。

椅子研究家・織田憲嗣のコレクションとテキスタイル