直島の南に位置するベネッセハウス周辺は、現代アートが点在し来訪者を楽しませてくれる。豊かな自然と向き合い環境に触発された作品は、直島しかない特別な空間をつくりだしている。
ベネッセハウス(ミュージアム・オーバル・パーク・ビーチ)は美術館と宿泊棟で構成されているベネッセアートサイト直島の中核施設。作品はその施設内だけにとどまらず海岸線や林の中にもあり、散策をしながら気軽に触れることができる。草間彌生の「南瓜」をはじめ、ニキ・ド・サンファール、杉本博司などの作品が直島の海景をつくり見落とされがちだった風景を再発見させてくれる。
自然の力で空調を促す「直島ホール」
海を眺めながらまったりできる「つつじ荘 カフェ」
宮浦港で借りたレンタカーでベネッセハウスエリアへ。島の中心を東へ進み石井和紘が設計した直島町役場を右折すると、2015年11月に竣工した「直島ホール」が視界に入る。直島ホールはホールと集会所の2棟で構成され、舞台もあり地域住民のスポーツ・レクリエーションや文化、芸能活動などに活用されている。設計は三分一博志でこの建物最大の特徴は、世界最大級の総檜葺き屋根に空いた開口部。風が入り圧力差で生じる室内の空気が抜け、自然に換気が行われる仕組みが素晴らしい。
再度車に乗り島の南にあるつつじ荘の駐車場へ到着。昼食は海が目の前にある「つつじ荘 カフェ」のテラスでハヤシライスとキーマカレーを美味しくいただく。宮浦港から思っていたが海外(特に欧米)からの旅行者がとても多く、目が合うと気さくに挨拶をしてくれるのが嬉しい。お腹が満たされた後はベネッセの東ゲートを通り、草間彌生の「南瓜(黄かぼちゃ)」とご対面。青い海に黄色が良く映えるかぼちゃは相変わらず大人気で、皆譲り合って写真を撮る姿が微笑ましい。
草間彌生「南瓜」