美術館とホテルが一体となり、世界でも類い稀な施設の直島「ベネッセハウス ミュージアム」は1992年7月に開館。ベネッセアートサイト直島代表、福武總一郎の依頼で安藤忠雄が設計。
ベネッセハウス ミュージアムはベネッセアートサイト直島の中核施設「ベネッセハウス」の本館・ミュージアム棟で「自然・建築・アートの共生」をコンセプトに建てられた。作品は絵画・彫刻・写真・インスタレーションなどに加え、アーティストが直島のために制作したサイトスペシフィック・ワークを屋内外に恒久展示している。直島の景観を活かし室内にいても常に外部の自然を感じられる建物の設計は、1995年に「プリツカー賞」を受賞するなど日本を代表する建築家の安藤忠雄。
杉本博司「タイム・エクスポーズド」
ブルース・ナウマン「100生きて死ね」
ベネッセハウス パークに車を置いて海岸線の景色を眺めながら歩くこと約15分、瀬戸内海国立公園に指定されている景勝地の小高い丘に建つベネッセハウス ミュージアムに到着。建物の半分が地中に埋め込まれているが、コンクリートの打ち放しに白大理石を乱積みにした壁がアクセントとなりとても格好良い。木々の緑や瀬戸内海・空の青さが美しく重なり、建築そのものがまさにアート。
館内は地下1階から地上2階まで屋外含めて、杉本博司「タイム・エクスポーズド」やブルース・ナウマン「100生きて死ね」、安田侃「天秘」、柳幸典「バンザイ・コーナー」、須田悦弘「雑草」などの現代アートを展示している。中でも建物全体の中心となる3層吹き抜けの大空間、円形ギャラリーにある「100生きて死ね」の存在感は圧倒的。「PLAY AND LIVE」「PLAY AND DIE」「TOUCH AND LIVE」「TOUCH AND DIE」など、生と死を関係付けたネオン管のメッセージが1つずつ点滅し、最後に100個全てが点灯する。色彩的にも綺麗で色々と考えさせられる魅力的な作品。
安田侃「天秘」