ウォルター・デ・マリア、ジェームズ・タレル、クロード・モネの作品が恒久的に展示され、建物が地中に埋設した直島「地中美術館」は2004年7月に開館。設計は直島で4件目となる安藤忠雄。
ベネッセアートサイト直島代表の福武總一郎がモネの「睡蓮」を購入したことがきっかけで構想が具体化した地中美術館。アーティストとキュレーターが安藤忠雄と意見を交わし、展示室が単なるボックスではなく、作品を最適な状態で鑑賞できる妥協なき空間を作り上げた。地中でありながら採光の殆どは自然光が採り込まれ、時間の経過と共に作品の表情が変わるのも魅力の一つとなっている。
光と影のコントラストが美しい館内の通路
地形と同化している地中カフェの外観
地中美術館は宿泊したベネッセハウス パークから車で5分程の距離。美術館から少し離れたチケットセンターの駐車場に車を駐め、チケット購入後に館内の説明を聞いて美術館へ。入り口までの道のりには、約200種類の草花や木樹でクロード・モネの庭園をイメージした「地中の庭」がある。睡蓮や花・柳など四季を通じて楽しめる庭園で、専門の庭師により手入れが隅々まで行き届いている。
エントランスからは打ち放しのコンクリートが続き館内へ。建物は安藤忠雄らしいスリットや、無駄を削ぎ落としたデザインが厳かで緊張感のある空間を演出。最初の作品はウォルター・デ・マリアの「タイム/タイムレス/ノー・タイム 」。室内は広く金箔を施した木が27本あり神殿のような造り。階段の途中には、直径2.2mの黒い球体が天井からの自然光を映し出す。階段を転がってしまいそうなためスタッフへ質問すると「下から杭が刺さっているので大丈夫です」と笑顔で説明してくれた。
天気が良いのでカフェの外で一休み