パリのラスパイユ通りにガラススクリーンが一際目立つ「カルティエ現代美術財団」は、1994年に開館。設計はガラスの透明感と光の反射で独自の存在感を出すジャン・ヌーヴェル。
カルティエ現代美術財団はジュエリー・ブランドで有名なカルティエが現代アートの普及と発展のため、個々のアーティストが持つ「創造性」を重要視し、各展覧会ごとに異なる世界観を提案している。建物は光の魔術師の異名を持つジャン・ヌーヴェルが設計したガラススクリーンが特徴で、透明の中に空や樹木を写し出し季節・時間により様々な表情を見せる。展示スペースは地下1階と地上1階、オフィスは2階以上となり各階のアクセスはガラス張りの3基のエレベーターがまかなう。
建物入口では大きなレバノン杉がお出迎え
企画展「BEAT TAKESHI KITANO 絵描き小僧」
世界中のアーティストに活躍の場を提供し続けているカルティエ現代美術財団へ。メセナ活動(企業による芸術支援活動)としてパリの美術館ではとても貴重な存在で、年数回に渡り企画展を開催している。日本人も今までに横尾忠則、村上隆、三宅一生、森山大道、川内倫子などの作品を紹介。村上隆はいち早く注目し、2002年6月に「ぬりえ展」で紹介したのがこのカルティエ現代美術財団。
今回訪れた時の企画展は北野 武/ビートたけし「BEAT TAKESHI KITANO 絵描き小僧」が開催中。アーティスト北野 武として作品を観るのは不思議な感じだが、現代美術を皮肉りながら独特のタッチで絵画・映像・アトラクションなどを展示している。現地の評判はとても良く、開催前にはフランス文化省から芸術文化勲章の最高章、コマンドゥールが授与された。(会期は2010/3/11~9/12まで)
エントランスの緑化壁もアートの一つ