現代文化を世界に発信する「ポンピドゥー・センター」

現代文化を世界に発信する「ポンピドゥー・センター」

パリの中心部、ボブール地区にある複合文化施設「ポンピドゥー・センター」は1977年1月に開館。斬新なデザインで一際異彩を放つ建物の設計はレンゾ・ピアノ+リチャード・ロジャース。

ポンピドゥー・センターは国立近代美術館をはじめ公共図書館・国立音響研究所などがあり、正式名称はジョルジュ・ポンピドゥー国立美術文化センター(Le Centre national d’art et de culture Georges Pompidou)。剥き出しの鉄骨やパイプなど開館時はあまりにも前衛的な外観に伝統を重んじるパリ市民の批判も多かったが、今ではすっかりパリの名所に。見どころは20世紀の芸術がテーマで、インテリアやプロダクト、ファッションなど様々な手法で展示している国立近代美術館。

空調などの色鮮やかなダクトが並ぶ裏側の外観

空調などの色鮮やかなダクトが並ぶ裏側の外観

空港や駅のように広いエントランス

空港や駅のように広いエントランス

レンゾ・ピアノは1998年、リチャード・ロジャースは2007年にプリツカー賞を受賞。その2人が共同で設計した建築を見るためにパリ4区のボブール地区へ。サン・マルタン通り沿いに並ぶカフェを眺めながら歩いていると、工事現場の足場を思わせる外観に建物を登るようなエスカレーターが特徴的なポンピドゥー・センターに到着。エントランスから入ると電気や水道の配管が外にあるため、スペースに余裕があり仕切りのない空間が広がる。天井は外観同様に梁やパイプが剥き出しになっている。

2階から早速外のエスカレーターで6階へ。ギャラリーやレストラン、エッフェル塔やノートルダム大聖堂などパリの街並みが一望できる屋上展望がある。4・5階は国立近代美術館で5階にピカソ、シャガール、ミロなど近現代の巨匠作品が鑑賞できる。4階の企画展では「elles@centrepompidou」が開催中で、20世紀初めから現在までの女性アーティストに焦点を当てたコレクションを紹介。

キャタピラーと呼ばれるエスカレーター

キャタピラーと呼ばれるエスカレーター

ルイーズ・キャンベル「ベリーラウンドチェア」

ルイーズ・キャンベル「ベリーラウンドチェア」

作品はシュザンヌ・ヴァラドンからアネット・メサジェ、草間彌生を筆頭にオブジェや写真・彫刻や絵画などかなりの点数を時代順ではなく9つのテーマで展示している。通路に設置され存在感のあるニキ・ド・サンファールの彫刻「花嫁」や、240枚の円を重ねレース編みのようなルイーズ・キャンベルの「ベリーラウンドチェア」もあり見応え十分。(会期は2009/5/27~2010/5/24まで)

休憩は6階のレストランで一休み。雲のような小部屋や眺めの良いテラス席で本格的な創作料理が楽しめる。1階に戻り、近現代アートのスポットらしくユニークで斬新なデザインのものからオリジナルグッズなど、お土産探しに困らないショップで買い物。さらに併設しているブックストアでは絵画・アート・写真・建築・ファッションなどに関する書籍やDVDなどが豊富に取り揃えている。

6階レストラン「ジョルジュ」

6階レストラン「ジョルジュ」

ポンピドゥー・センター/Pompidou Centre

住所
19 Rue Beaubourg, 75004 Paris, France < 地図を表示 >
Tel
+33 1 44 78 12 33
設計
レンゾ・ピアノ(イタリア)+リチャード・ロジャース(イギリス)
公式サイト
Centre Pompidou
関連記事
宇宙船モバイルアートが出現!「アラブ世界研究所」
新しい世代へ映画を伝える「シネマテーク・フランセーズ」
現代文化を世界に発信する、パリ「ポンピドゥー・センター」
アートが集う光の箱「カルティエ現代美術財団」
世界の文化に敬意を払う「ケ・ブランリー美術館」
生物の進化を学ぶ!パリ国立自然史博物館「進化大陳列館」
ジャン・ヌーヴェル傑作の美術館「アラブ世界研究所」
モダニズム建築の始祖にして至高の建物「サヴォア邸」
フランスの空の玄関口「シャルル・ド・ゴール空港」
パリで最も魅力的な建築の一つ「アラブ世界研究所」
科学やテクノロジーが集結した「シテ科学産業博物館」