パリのラ・ヴィレット公園にある欧州最大級の科学館「シテ科学産業博物館」は1986年3月に開館。設計はストラスブール近現代美術館を手掛けたことでも有名なアドリアン・ファンシルベール。
シテ科学産業博物館が建つラ・ヴィレット公園はパリ北東部の郊外との境に位置し、サン=ドニ運河が南北を、ル-ルク運河が東西に交差している。1980年代のパリ再開発計画「グラン・プロジェ」にて、食肉処理場の跡地をスイス人建築家のバーナード・チュミが設計して生まれ変わった。面積が55ヘクタールと広大な公園で、他に音楽博物館や多目的ホールもある。シテ科学産業博物館は科学館・プラネタリウム・ドームシアター・図書館など充実した施設で、子どもから大人まで楽しめる。

ラ・ヴィレット公園を横切るル-ルク運河

吹き抜けで開放的な館内
シテ科学産業博物館は地下鉄ラ・ヴィレット駅のすぐ目の前にあり、ガラスや鉄が使用された近代的な建築。建物は地下2階から地上3階建てで生命と宇宙に関する3つのコンセプトが備わっている。1つ目は生命と宇宙をつなぐ「水」が建物を囲み、2つ目はエネルギーの源となる「光」がガラス張りの天井から降り注ぐ。3つ目は「植物」で公園側に大きな温室が自然エネルギーを利用して設置。
館内は中央に吹き抜けの大空間が広がりチケットは1階で購入。展示フロアは2階と3階で交通・イノベーション・エネルギー・宇宙・光・遺伝子などテーマごとに展示。難しい内容でも視覚的に理解できる作品も多く、展示方法やデザインもかなり秀逸。企画展もユニークなテーマで科学を楽しめるよう毎回趣向を凝らしている。子ども連れの場合は有料になるが1階の遊び場も用意されている。

展示デザインも楽しめる要素